長距離レース前の食事の摂り方

こんにちは。

今日は、長距離のレースを走る直前の食事の仕方について解説していきたいと思います。

 

 

グリコーゲンローディング

まず、グリコーゲンローディングについて知っておきましょう。グリコーゲンローディングとは、体内でエネルギー源となるグリコーゲンを貯蔵しておく方法のことを言います。

グリコーゲンは、炭水化物(carbohydrate)を摂取することによって貯蔵されることから、カーボローディングとも呼びます。

ただし、普通は炭水化物とは、糖質と食物繊維を合わせたもののことを言いますが、食物繊維はエネルギーにはならないので、ここでの炭水化物とは、イコール糖質のことだと考えてください。

ただし、炭水化物は1gあたり水3gと結合し、4gのグリコーゲンとして貯蔵されます。

したがって、グリコーゲンローディングをすると一時的にグリコーゲンの分体重が増えてしまいますので、注意が必要です。

 

試合前1週間の食事

具体的には、どのような食事をするかと言いますと、昔は、まず7日前から4日前くらいまで糖質をほとんど摂らないカーボディプリートと呼ばれる作業を行い、体内のグリコーゲンを枯渇させ、3日前から超高糖質食にすることで、通常より多くのグリコーゲンを体内に貯蔵することが出来ると考えられていました。

しかし、最近の研究では、カーボディプリートは不必要、むしろ体への負担が大きくやるべきではないとの見方が広がってきました。

ですので、ディプリートは行わず、それまでは普段通りの食事を摂り、試合の3日前、もしくは4日前くらいから高糖質食にすることでグリコーゲンローディングをすることが出来ます。

具体的な1日の糖質量としましては、体重1gあたり8〜10g程度を摂取すると良いとされています。ただし、糖質を多く摂ると、当然その分摂取カロリーが増えてしまいますので、出来るだけ脂質は抑え、トータルの摂取カロリーは普段とあまり変わらないようにしましょう。

 

試合前日の食事

試合前日は、グリコーゲンローディングを行うのは当然ですが、私が推奨したいのは、をしっかりと飲むことと、ビタミンをしっかりと摂取することです。

まず、最初に書いたように、炭水化物は3倍量の水と結合することでグリコーゲンとして貯蔵されます。したがって、体内の水分が足りていなければ、いくら炭水化物を摂っても脂肪になるだけでグリコーゲンにはなってくれないのです。そのため、出来れば意識的に普段より少し多めに水を飲むようにしてください。

次に、ビタミンに関してですが、ビタミンのなかでも、ビタミンB1は特に大切です。なぜなら、ビタミンB1は炭水化物からのエネルギー産生を助ける働きを持っているからです。そのため、ビタミンB1が不足しているとせっかく貯蔵したグリコーゲンを効率的にエネルギーとして利用することが出来ません。

ちなみに、ビタミンB1を多く含む食材は、豚肉などです。

詳しくはこちらを参照してください。ビタミンB群の働き、多く含まれる食品を紹介

当然ですが、B1以外のビタミンも重要ですのでしっかり摂取するようにしてください。サプリメント等で補うのも良いと思います。

試合当日の食事

試合当日は、まず出来るだけ消化の良いものを摂るというのが鉄則です。

食べ物を消化するのにもエネルギーを使いますので、消化しづらいものを食べてしまうと血液も胃の方に集中してしまいます。

また、食物繊維を摂りすぎると、お腹にガスが溜まってしまうので、食物繊維は出来るだけ控える様にしましょう。

具体的に摂るものとしては、うどん、バナナ、ゼリーなどがいいと思います。

摂取の仕方は、4時間前から1時間前までに体重1kgあたり2〜4gの糖質を摂るようにしましょう。ただし、先述したように消化するのにもエネルギーを使ってしまいますので、直前はやはりゼリーなどで済ませるのが無難かと思います。

 

まとめ

というわけで、今日は試合前の食事について解説しました。

試合前の調整には様々なやり方がありますが、グリコーゲンローディングは先人たちが築き上げてきた一つの正解として有効な手段です。

正しい知識を持って行ってみてください。